『食べることと考えることの文藝誌 B 』を創刊しました。面白いよ。

『食べることと考えることの文藝誌 B 』を創刊しました。面白いよ。

食べることと考えることの文藝誌 B 』を創刊しました。

という話です。

僕は去年初めてZINEを作りました。ZINEというのは個人が出版社などを介さずに作る冊子や本、雑誌、漫画本などのことです。こう説明すると思うのが同人誌と何が違うのかということ。夏と冬にはコミケのことがニュースになっているかと思いますが、コミケは同人誌の販売会です。同人誌とZINEは殆どイコールです。記号で言えば「≒」これ。ただ、同人誌は漫画本や二次創作物、イラストなどの作品が多く(それだけではないですが)、ZINEはデザイナーやアーティストの方が自分の作品のポートフォリオとして作ったり、旅行記の雑誌だったり、変な写真集だったりとより広義的な意味を持っています。とはいえ、これは漠然としたイメージで、ZINEと同人誌に大きな差はありません。作った人が同人誌だと思えば同人誌だし、ZINEだと思えばZINEになるわけです。

僕が作ったのは二作目。一作目である去年作ったのはこちら。

City Farm Guide Bookです。これは僕が新婚旅行で訪れた国のシティファームに行き、そこで見てきたものを書いてきた旅行記。それと実際に日本でシティファームを始めるにはどうしたらいいのかというアイディアが書いてある本です。フルカラーでページ数は少なめです。

対して今回はガラッと雰囲気が変わりました。なんせ文藝誌ですから。

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中身は文字がたっぷりです。

9月1日にはお披露目ということで札幌で毎年開催しているNEVER MIND THE BOOKS 2019にも参加してきました。いつも一人でマルシェしている僕的にはあまり交流することのない作家さんに出会えるのでとても楽しみなイベントでした。

さてさて、本の内容についてです!

前半は僕がミツバチについて書きました。

  • 目次を紹介すると
  • 暮らし養蜂家15ヶ月
  • もっとミツバチを知る15のトピックス
  • 養蜂の歴史
  • ミツバチと農業
  • ミツバチに関する本

となっています。

僕が日々している養蜂は、業としての養蜂というよりも暮らしの延長戦に養蜂があります。そのことについて書きました。

街の中でミツバチを飼うと、それまでとは違った目線が自分の目の中に入ってきます。ミツバチの目線です。それがあると、あそこに花が咲いているなとか、あそこに蜘蛛の巣があるのとかそう言ったミツバチが暮らすために重要な情報が入ってきます。

きっとこの本を読み終わったのなら、あなたの目線の中にもミツバチの目線が混ざってくるかも、しれません。

初夏の頃の巣箱

ミツバチについては第一特集。第二特集は文藝についてです。これは僕も今回初めての試みだったのですが、知り合いの方から寄稿していただいたエッセイが載っています。

そのウチのいくつかをご紹介。

ねまさちえさんは札幌の山沿いにある幼稚園のそばで鶏を飼いながら自然に寄り添って暮らしています。

この本には「生肉と被害者意識」というタイトルで、肉を食べることについてのことが子供の頃の記憶を紐解きながら語られています。

子供の頃のねまさんはとある方から「(肉を)人に殺してもらって食べているんだよ。」と言われます。この言葉は、ほとんどの僕たちにも当てはまる言葉です。それが屠殺場で働く人だったり、システムだったりしますが、僕たちは誰かが殺してくれた命を食べています。日々の肉を食べるという行為に当事者意識は欠落していきます。

この欠落はひょっとするともっと大きなものにつながっていくのかもしれません。以前読んだものの中に、近年の戦争の自動化の問題を指摘する文がありました。例えば自動爆撃機ですが、これは自動なので人が人を殺しているわけではなくシステムが人を殺しているわけです。もちろん標的を打ち込む人や発射のボタンを押す人はいますがそれも全て職業上の行為に過ぎません。そうすると戦争であっても人間が人間を殺すという意識は薄まっていくというようなことが書かれていました。確かにそうだと思います。

話が大きくなりましたが、ねまさんの言う被害者意識とは言い換えれば、当事者意識でもあります(それが加害者であれ被害者であれ)。そうした意識を欠落しがちな現代だからこそ意識を持つことが大事なのだと気がつかせてくれます。

次にご紹介するのは柴田アリサさん。ドイツのクウォーターという鼻が高くぱっちり二重の美貌とバイタリティで円山で小麦粉・乳製品・白い砂糖不使用のお菓子屋さんissueを営みながら、メディアの仕事もこなす女性です。

札幌市中央区南6条西23丁目4ー26

出不精でコミュ障で鼻が小さくモテ期の訪れない弟とはだいぶ違っています。

まあ、その弟って僕なんですがね。

姉が寄稿してくれた文は、僕がこのブログでもたまに書いている、若干ふざけた、コメディ系の文に似ていて姉弟だなあ、とつくづく感じさせます。

内容は砂糖の話。姉は僕よりもアレルギーがありアトピーが酷く、食べれる食べ物に制限がありました。エッセイは姉が大学時代に訪れた喫茶店でのこと。あまり甘くないケーキを食べたい姉の心模様が描かれます。

なんとエッセイの中にはレシピも出ているのです。もうそれだけでこの本を買う価値があるというものです。

他にも面白いエッセイがたっぷり。

想ふ映画館というドキュメンタリーなどの、社会的意義の高い映画を自主上映する廣野聡美さんが、沖縄で旅をするように暮らし始めて気づいたこと、これからのことを書いてくれた『旅の途中』。僕と一緒に畑をやっている公務員のMogさんが書いてくれた『「農」の奪還、プロセスを味わうこと』。僕が書いた『絶滅』(結果これが一番浮いた文になったかも)。などなど、どれも文体も違っていてとても面白い。

竹富の島からみた景色
ニンジンの収穫

そして大学の同級生でアラスカのユーコンを旅し今は福島の山奥にたどり着いた八須君の『地球と共に』。

この文藝誌でエッセイを募集しようと思ったきっかけはたくさんあるのですが、その一つが八須君の文章が素晴らしいので、僕の知り合いの方に紹介したい思ったから。八須君の文章には自然とともに生きることのパワーが宿っているなとつくずく思います。

自分で作った本を紹介するというのは難しいものですね。ミツバチについて、食べることについて、生きることについて、暮らすことについて。全く悩まない人はいないと思います。このエッセイに出ているのは、自己啓発的な答えではなくあくまで一つ一つの考え方です。それが何かのヒントになればと思います。

よろしくです!!

インターネット販売も始まったので、以下をチェックだ!!

http://inthegarage.thebase.in

実店舗でも買えるお店があります。

タコシェ http://tacoche.com

東京都中野区中野5-52-15 中野ブロードウェイ3F

・本屋B&B http://bookandbeer.com

〒155−0031
東京都世田谷区北沢2-5-2 BIG BEN B1F

まだ引き続き、お取り扱いいただける雑貨店様、書店様を募集しているので興味がある方はよろしくお願いいたします。