『食と文化-時空を超えた食卓から-』細田典明編著 きょうの読書感想文
朝食だけ考えてみても、食パン、ご飯、焼き魚、コーヒー、ジュース、水、目玉焼き、味付き海苔などなどいろんな選択肢がある。
でも、各家庭ごと、各個人ごとに食べる食べないも含めて何を朝に食べるかは何となく決まってるんではないだろうか。和食?洋食?あなたはどっちら派でしょう?
では昼には何を食べるだろう。ラーメン、カレー、定食、そば、パスタ、ピザ、サンドウィッチ、おにぎり。
他にも選択肢は沢山ある。
ではその夜には何を食べる?
焼肉、フレンチ、イタリアン、懐石料理、ハンバーグ。
もちろん昼と夜に食べるものを取り替えることもできる。朝から胃袋がタフな人なら朝から焼肉を食べることだってできる。
でも、それが100年とか前にはこんなにも選択肢はなかったはず。ひょっとすると隣の家の朝食が全く想像できなくなったのはここ最近のことなのではないかとも思う。
グローバル化という波に乗ってたくさんの新しい食べ物というのが日々入ってきている。パンケーキ、グラノラ、スムージー、チアシード、コールドプレスジュース。
ここ最近でも新しい選択肢が増えた。
ここまでいろんな国の食べ物が集まる日本も珍しいが、外国でも中華にSUSHI、ラーメンなどなど、食の選択肢は日々増えている。
向こうの古い食文化はこちらでは真新しく、こちらの古い食文化は向こうでは真新しい。
まだ美味しいものがあるかもしれないと思い続ける人間の食欲にはきりがない。
ふと思ったのだけれど、嫌韓の人は韓国料理は食べないのだろうか?
キムチ美味しいのにな。
ボーダーレスに広がる食文化を考えるきっかけになるとてもいい本でした。
『食と文化-時空を超えた食卓から-』
目次
- 第1章 古代インドの食の概念と食物の起源-神々と人間の食物 細田典明
- 第2章 聖書は食べ物について何を教えているのか 佐々木啓
- 第3章 ペルシア宮廷のワインとシャーベット 守川知子
- 第4章 中世・近世ヨーロッパの食文化 山本文彦
- 第5章 猪八戒は食いしん坊か? 武田雅哉
- 第6章 ロシア文学における食の風景 大西
- 第7章 ブラジルにおけるサトウキビ生産の発展 仁平 尊明
- 第8章 フランスに見る食と文化の国際社会学 樽本英樹
どれも面白い内容でした。